東武東上線 柳瀬川駅 徒歩1分 ぺあもーる内 -柳瀬川動物病院

世田谷の猫さんの顎が外れた

9月のとある土曜日。世田谷にお住まいという猫の飼い主様から電話がかかってきました。飼っている猫の顎が外れてしまったとのこと。当院のHPを見つけて下さって、顎の脱臼について問い合わせのお電話でした。当院での処置について一通りお話して電話を切ったところ、すぐに再度お電話をいただきまして、こちらにお越しになるとのこと。
顎の脱臼は時間との勝負。当院は予約制ですが、こういうときは勿論、臨機応変に対応させて頂きます。
　
お越しになったときの写真。口を閉じることができず、よだれが止まりません。すでに脱水も起こしていました。
　


よ～く見ると、上顎と下顎が微妙にずれていて、左側の顎関節が外れているのが分かります。
　


このままではご飯を食べることも水を飲むこともできず、自力で生きていくことはとても難しくなることが予想されます。必要な諸々をご説明した後、脱臼の整復をいたしました。今回も無事に整復できてほっとしました。
　


動画は整復後の映像です。猫さんが自分で口を動かし始めて、大きく開け閉めできるようになったことを確認できました。
　

　
顎が外れてご来院される場合はほとんどの方が当院初診です。飼い主様のご不安を少しでも軽くすることができればと思い、当院では脱臼整復の際には静脈麻酔を入れるところから整復手技が終わるまでずっと飼い主様に立ち合っていただきます。
　
因みにこの猫さん。外れてしまった左側の反対側、つまり右側の上の奥歯に大きな大きな、大人の親指の頭ほどの歯石がありました。これが不自然にぐらついていましてね。察するに、河原で石を踏んで足首をくじくかのように、前々からあった大きな歯石がどういうわけかぐらついてしまって“顎をくじいて”しまったのではないかと想像されました。（歯石がぐらついたから顎が外れたのか、顎が外れるほど強く噛んでしまったから歯石がぐらついたのか、どちらが先か本当のところは分かりません）。勿論、鎮静が効いているうちに巨大な歯石とできる限りのその他の歯石を除去させていただきました。
　
顎関節の脱臼整復は時間との勝負です。顎が外れてしまったら、すぐにお近くの動物病院を受診されることをお勧めいたします。

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